去勢・避妊手術

去勢・避妊手術について

抵抗感を感じる方も多くいらっしゃいますが、去勢・避妊手術は妊娠を防ぐだけでなく、生殖器の病気を予防するほか、動物を発情期のストレスから解放するというメリットもあります。
繁殖の予定がない場合は、大切な動物の健康のためにも、当院にご相談ください。

去勢手術

去勢手術は精巣を摘出し、生殖能力を失わせる手術です。
飼い主様の自己都合で受けさせることに抵抗感を感じる方は多くいらっしゃいますが、動物にとってもメリットがあります。望まれない繁殖を防ぐ、個体差はあるものの性格を穏やかにして他の動物とのケンカやケガが少なくなるといった効果以外にも、いくつかの病気を予防して健康な生活を長く送れることが期待できます。
手術にはメリット・デメリットがありますので、十分に検討をおすすめしています。

陰睾

犬の精巣は通常、生後30日ほどで陰嚢内に降りるものですが、腹腔内または鼠径部の皮下にとどまることがあります。これを陰睾または潜在精巣といいます。このままですと、精子形成が阻害され生殖が困難になるだけでなく、精巣腫瘍になる確率が高いと報告されています。また、陰睾は遺伝するため繁殖に供すべきではないとされています。

こんな気になる症状はありませんか?
・精巣が1つしか見当たらない
・生後30日前後経っているオスなのに陰睾がない

去勢手術のメリット

  • 病気の予防
  • マーキングの回数が減る
  • ストレスから解放される
  • 攻撃性が抑えられる
  • 性格が穏やかになる

※手術を受けられる動物には個体差、年齢時期によって効果が期待できない可能性があります。詳しくは直接当院までご相談ください。

性ホルモンに関わる病気

前立腺肥大症

前立腺は雄の膀胱近くにある副生殖腺です。高齢になると前立腺肥大症にかかりやすくなり、直腸が圧迫されて排便が難しくなったり、血尿が出たりすることがあります。

肛門周囲腺腫

男性ホルモンの作用で主に肛門周辺にできる腫瘍です。約80%は良性ですが、舐めたり地面にこすったりすると、出血や化膿を起こすこともあります。手術で摘出できますが、取りきれない場合は去勢手術を施します。

会陰ヘルニア

会陰部(肛門の周り)に隙間ができて腹腔内から膀胱や直腸が皮下へ飛び出てしまい、排便や排尿が困難になる疾患です。高齢犬に多く見られます。

その他

精巣を摘出するため、精巣腫瘍も100%予防することができます。

避妊手術

避妊手術は、卵巣、又は卵巣・子宮ともに取り除く手術です。
手術を行うことで臨まない妊娠を防ぐだけでなく、生殖器や性ホルモンに関する病気を防ぐことができます。さらに、発情期の出血やストレスを緩和するというメリットもあります。
一度避妊手術を行うと妊娠できなくなるので、十分にご検討のうえご依頼ください。

避妊手術のメリット

  • 病気の予防
  • 偽妊娠のストレスをなくす
  • 発情出血を抑える
  • 発情時の猫の鳴き声を軽減する

性ホルモンに関わる病気

乳腺腫瘍

乳腺にできたしこりで飼い主様が気付かれて来院されることが多い病気です。
良性の場合も多いですが、報告によると犬の場合は約50%、猫の場合は約90%が悪性腫瘍とも言われています。
乳腺腫瘍は全身の臓器に転移することも多い怖い病気ですが、早い段階で避妊手術を施すことにより、大幅に発症リスクを抑えることができます。特に犬の場合、2回以上発情したあとに手術を受けると発症率が約25%なのに対し、初回発情前に手術を受ければ0.05%、1回目の発情後は8%です。
猫は犬ほどの効果は見込めませんが、生後6ヶ月目、生後12ヶ月目までに避妊手術を受けた場合、発症率が低くなるといわれています。

子宮蓄膿症

子宮内に入り込んだ細菌が増殖し、膿がたまる病気です。
犬の場合、細菌が子宮内に入りやすい「発情休止期」(発情後1~2ヶ月)に発症するケースが多く、放置すると命にかかわります。
発情後1~2ヶ月の間に、元気や食欲がない、異常に水を飲んでおしっこが増える、発情出血が長引く、オリモノが出てくる、陰部を気にするなどの異常が見られたときは子宮蓄膿症を疑ってください。

その他

卵巣を摘出するため、卵巣腫瘍を100%予防することができます。

手術の流れ

1.診察・予約

基本的に、不妊手術のご相談や予約は診察のときに承っています。
お電話でも受け付けていますが、初診の方は、基本的に手術の前に診察が必要です。

2.手術前日

安全に手術を行うため、手術当日の0時から食べ物を与えないようにしてください。症状によっては異なる場合もありますが、予約の際にお伝えします。

3.お預かり

手術当日は午前中にご来院ください。
お預かりの際、手術に関する説明をさせていただきます。

4.術前検査

一般検査や血液検査、血液性化学検査などを行い、全身の状態をチェックします。
(年齢や状態によって検査の内容が変わります。)

5.手術

体格にもよりますが、手術にかかる時間は去勢手術で30分、避妊手術で1時間程度のことが多いです。
手術と同時にスケーリング(歯石除去)を行うことも可能です。

6.お返し

去勢手術や避妊手術が終了しましたら、状態を見て飼い主さまにお返しします。
特に問題なければ、基本当日の夕方にお返しします。状態によっては1泊入院をお願いする場合もございます。
お返しの際に、お薬の処方や自宅でのケアなどについてお話しします。

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